冬の琵琶湖でバスを狙うなら、北湖と南湖のどちらへ向かえばよいのでしょうか。寒い時期にわざわざ出かけるからこそ、行き先は外したくないですよね。
結論から言うと、冬は北湖のほうが表層の水温が高めに残ります。平均水深が約4mと浅い南湖は、冬の表層の水温が北湖より低めでした。
この記事では、冬の北湖と南湖の水温の違いと、冬の琵琶湖で守る決まりごとをまとめました。読み終えるころには、冬の行き先の決め方と、現地で困らないための準備が分かります。
冬の琵琶湖でどこを選ぶ?北湖は南湖より水温が高く残る

冬の琵琶湖は、北湖のほうが南湖より表層の水温が高めに残ります。水資源機構琵琶湖総合管理所の定期水質調査では、1月の北湖の安曇川沖が9.0℃、南湖の志那沖が5.3℃でした。冬の行き先を選ぶなら、北湖が候補になります。
北湖と南湖は、湖の深さも大きく違います。滋賀県によると、琵琶湖の平均水深は南湖が約4m、北湖が約43mで、面積は南湖と北湖で1対11です。同じ琵琶湖でも、浅い南湖と深い北湖では冬の水の顔つきがまるで違います。
冬の3か月の表層(水深0.5m)の水温を、北湖と南湖の観測地点で並べると次のとおりです。
| 調査の月 | 北湖の安曇川沖 | 南湖の志那沖 |
|---|---|---|
| 令和7年12月 | 12.3℃ | 9.2℃ |
| 令和8年1月 | 9.0℃ | 5.3℃ |
| 令和8年2月 | 8.1℃ | 4.1℃ |
2月は南湖の山田港沖も4.2℃でした。水の濁りにも差があり、1月の透明度は安曇川沖が6.7m、志那沖が1.4mです。冬の南湖は北湖より冷たく、濁りも強い水だと覚えておくと、ルアーの色や探り方を考える手がかりになります。
ここに挙げた地点は水質を調べるための観測地点で、釣り場として案内するものではありません。数字は速報値で、冬の冷え込み方によって年ごとに変わります。岸から入れる場所の考え方は琵琶湖のおかっぱりの入門ガイドにまとめています。
冬の琵琶湖のバスは深い場所の障害物まわりで冬を越す

冬のバスは、深い場所の障害物まわりに集まって冬を越します。国立環境研究所の侵入生物データベースでは、オオクチバスは水温が10℃前後になる晩秋に深いところへ移るとされています。厳寒期は、沈木などの障害物の間で群れになって越冬します。
もう1つ覚えておきたい境目が5℃です。米国魚類野生生物局の資料には、オオクチバスは通常、水温が華氏41度(摂氏5℃)を下回ると餌を食べないと書かれています。2月の南湖の志那沖と山田港沖は4.1℃と4.2℃で、この目安を下回っていました。
北湖の安曇川沖でも、1月と2月の表層は10℃を下回っていました。どちらの湖でも、冬は深い場所にある障害物の近くを、ゆっくり丁寧に探るのが基本になります。
水温ごとのバスの動きはブラックバスの適水温と季節ごとの目安で詳しく扱っています。冬に深場を探るルアーの選び方は冬のバス釣りのルアーの選び方にまとめています。
冬の琵琶湖の北湖では湖が底まで混ざる全層循環が起こる

冬の北湖では、例年、湖の水が表面から底まで混ざる「全層循環」が起こります。滋賀県琵琶湖環境科学研究センターによると、水温躍層(水温が急に変わる境目の層)が深いところまで下がって消える現象です。表層から底層まで、水温や溶存酸素(水に溶けている酸素)の濃度がそろいます。
夏の北湖は、上と下で別々の湖のように分かれています。表層が30℃前後になる真夏でも、水温躍層より下の水深20m以深は10℃前後のままです。秋から冬にかけて表層が冷えると、躍層が弱まりながら下がり、上から少しずつ混ざっていきます。
北湖では春から初冬にかけて底層の酸素が減り、冬に全層循環が起こることで底層まで酸素が届いて回復します。冬の北湖は、深いところまで水がそろっていく季節です。夏とはまるで違う湖を相手にしていると思うと、冬の釣りも少し楽しみになります。
ただし、暖冬の影響が大きかった2018年度は、観測史上初めて、水深約90mの一部の水域まで湖水の混合が十分に進みませんでした。2019年度もこの水域で全層循環が確認されず、2020年度に3年ぶりに確認されています。
滋賀県の琵琶湖の水質のページには、令和8年2月13日の資料提供として、全層循環を確認したことが載っています。
水が混ざる仕組みと釣りへの影響はターンオーバーの仕組みと釣り方の変え方で、秋の琵琶湖の変化は秋の琵琶湖で水位と水が変わる流れで紹介しています。
冬の琵琶湖はエリ漁の季節!エリから離れて釣る

冬の琵琶湖は、エリ(小型定置網)で漁が行われる季節です。ヒウオ(氷魚)と呼ばれるアユの仔魚(ふ化して間もない子ども)は、12月から3月頃にかけて主にえり漁で獲られます。琵琶湖のアユは、生まれるとそのまま湖へ下っていきます。
釣り人にとって大事なのは、エリの近くに寄らないことです。エリやヤナが設置されている区域には漁業法に基づく第2種共同漁業権が設定されていて、漁業権を侵害した者は処罰される場合があります。エリの近くで釣ると漁具を傷めるうえ、水中のロープに触れる恐れもあって危険です。
滋賀県は「魚釣りをする場合は、エリから離れてください」と呼びかけています。冬はエリの位置を先に調べ、離れた場所で釣るようにすると安心です。県の遊漁の電子手帖「FiShiga」では、スマートフォンの位置情報から琵琶湖のエリ漁業の漁場の位置と漁業権の内容を確かめられます。
遊漁のルールは変わることがあるので、出かける前に滋賀県の遊漁のルールのページを確かめてください。
冬の琵琶湖で釣ったバスは湖に戻せない

琵琶湖で釣ったブラックバスは、湖に戻してはいけません。滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例に基づき、ブラックバスやブルーギルはリリース禁止です。琵琶湖をはじめ、県内すべての水域に戻すことができません。
釣ったバスは、湖岸や漁港にある外来魚回収ボックスや外来魚回収いけすに入れます。琵琶湖で釣った外来魚を、漁港を含む琵琶湖内の回収いけすまで運んで入れることは問題ないとされています。近くに回収ボックスやいけすが無いときは、その場で締めて持ち帰り、生ゴミなどとして処分します。
一方で、琵琶湖と同一性・一体性のない別の場所(例:湖周道路以遠であって漁港の区域外)へ外来魚を生きたまま運び移すことは、外来生物法の違反行為になると県は考えています。
琵琶湖での遊漁には、この条例のほかにも、滋賀県漁業調整規則や水産資源保護法などで決められたルールがあります。冬は1匹の重みが大きい季節だからこそ、釣った後の扱いまで決めてから出かけたいところです。区域ごとの採捕禁止の考え方は琵琶湖の11月の採捕禁止区域と岸の選び方で紹介しています。
回収ボックスといけすの設置場所は変わったり廃止されたりすることがあるので、出かける前に滋賀県の公式ページで今の場所を確かめてください。
まとめ:冬の琵琶湖は北湖と南湖の水温の違いと決まりごとを知って出かける

冬の琵琶湖は、深い北湖のほうが表層の水温が高めに残り、浅い南湖は水温が低く、濁りも強めです。冬のバスは深い場所の障害物まわりで冬を越すため、行き先を決めたら深場の近くを丁寧に探るのが軸になります。
出かける前は、次の順に準備すると迷いが減ります。
- 冷え込みの具合を見て、北湖と南湖のどちらへ向かうかを決める
- FiShigaでエリの漁場の位置を調べる
- 外来魚回収ボックスと回収いけすの場所を調べる
- 深場を探れるルアーを用意する
静かな冬の湖で、1匹をゆっくり探しに行くのも冬ならではの楽しみです。
冬の釣り全体の組み立ては冬のバス釣りの攻略の考え方に、ルアーの選び方は冬に沈めて止めるルアーの選び方にまとめています。

