冬のスモールマウスバスは、水が冷えた川や湖のどこにいるのか。そもそも冬に釣りに行って、餌を食べてくれるのかも気になりますよね。
結論から言うと、冬のスモールマウスバスは川でも湖でも深くて流れの弱い場所に集まり、動きは鈍くても小魚を食べています。狙うのは、その深場の底近くです。
この記事では、冬のスモールマウスバスの居場所と食べているもの、何月まで釣れるかの目安と狙う時間帯、底近くを通すルアーを順番に見ていきます。読み終えるころには、冬に投げる場所と時間が決まります。
冬のスモールマウスバスは深くて流れの緩い場所に集まる

冬のスモールマウスバスは、川でも湖でも、夏より深くて流れの弱い場所に集まります。米国バージニア州の野生生物資源局(DWR)によると、12月から1月初めにかけて水温が大きく下がると、スモールマウスバスは「冬の深み」へ移ります。
ミネソタ州の天然資源局(DNR)が川で電波発信機を付けて追った調査でも、水が冷たい時期はより深い場所を使っていました。秋に最大27kmも移動して越冬場所へ向かった魚もいます。
もともとコクチバス(スモールマウスバスの和名)は、オオクチバスより低い水温や流れのある水に入り込める魚です。清澄な湖にも、中程度の流れをもつ川にもすみ、原産地ではオオクチバスより寒い水域に分布する傾向があります。それでも冬は、深みに落ち着く点は同じです。
川では深くて流れの緩い淵に集まる
冬の川のスモールマウスバスは、深い淵や、流れが岸にぶつかって緩んだ深みに集まります。栃木県水産試験場の調査では、コクチバスが水深3m以上の深い淵で越冬していることが分かりました。冬の駆除の調査で捕まえた場所も、水深3m以上の淵が多くなりました。
長野県のサイトで公開されている、発信機を付けて追った調査の報告では、越冬した場所は橋のすぐ下流で本流が岸にぶつかり、流れがやや緩くなった深みでした。在来魚が越冬した岸辺の場所と比べて、コクチバスが留まっていた場所はより水深が深かったとされています。
海の向こうの川でも、姿はよく似ています。
- 大きな川の冬の深みは水深15フィート以上、長さ30〜50ヤード以上になることがある
- 小さな川の冬の深みは水深5〜6フィートほどのこともある
- 冬の深みは岩棚の下、川の曲がり、長い淵の中ほどから下流の出口にあることが多い
- 1年の大半で反転流(エディ。本流の脇でできる逆向きの流れ)を多く使う
- 1歳以上の魚はその場で最も深い場所を選び、冬は流速0.1〜0.3m/sの緩い流れをより強く選ぶ
上の3つはバージニア州DWR、4つ目はミネソタ州DNR、5つ目は米国地質調査所(USGS)が紹介する研究です。日本の川と米国の川で、同じ「深くて流れの緩い所」が浮かぶのは心強いところです。冬の川のスモールマウスバスは、その川でいちばん深くて流れの緩い淵の底近くにいると考えると、投げる場所が絞れます。
冬のバスの居場所を水温から読む話は、冬に釣れない理由と水温で変わる居場所でも扱っています。
カナダの湖では冬に水深12〜15mまで下りた
湖のスモールマウスバスは、冬にもっと深い所へ下ります。カナダ・オンタリオ州の大きな貧栄養湖(栄養分が少なく水の澄んだ湖)での調査では、スモールマウスバスは夏に水深2〜5mにいて、氷の張った冬には水深12〜15mまで下りていました。
しかも冬の3か月の観測のあいだ、いる深さは変わりませんでした。夏の浅場から、深場の底へ腰を落ち着けるイメージです。
日本の湖とは水温も氷の張り方も違うため、この数字をそのまま当てはめることはできません。それでも、冬の湖のスモールマウスバスは夏よりずっと深い所にいると考えておくと、岸際ばかり探して終わる日が減ります。
冬のスモールマウスバスも餌は食べる?胃の中は小魚が中心

冬のスモールマウスバスも、餌を食べています。栃木県水産試験場が平成28年1月から2月および平成29年1月に川で行った調査では、捕まえたコクチバス64尾のうち、胃が空だったのは29尾でした。残りの魚の胃には餌が入っていたわけです。
胃の中身で最も多かったのはサケの稚魚で、約46%を占めました。
サケの次に多かったのは、カジカ(17.4%)、ニゴイ(13.4%)、ヨシノボリ(9.1%)でした。
コクチバスの食べ物は、もともとオオクチバスとほぼ同じで、主に魚類と甲殻類です。ただし冬は代謝が遅くなり、バージニア州DWRは、12月下旬から1月・2月にかけてスモールマウスバスはかなり動きが鈍くなるとしています。
食べてはいるけれど、追いかける力は弱い。冬のスモールマウスバスには、底近くの小魚に似せたものを目の前へゆっくり届けるのが筋の通った狙い方です。
小魚に似せたワームの選び方は、冬の川スモールに合わせる小魚形のワームで3種類を紹介しています。
冬のスモールマウスバスは何月まで釣れる?12月と真冬の違い

冬のスモールマウスバスは、少なくとも12月までは餌を食べていると考えられています。長野県のサイトで公開されている越冬地の調査の報告は、バス釣りの人の話をもとにしています。12月までは釣れるので餌を食べていると考えられ、1月以降は釣れなくなるので餌を食べなくなる可能性がある、という見立てです。
同じ報告では、12月から1月の冬の時期も、コクチバスは1か所に留まらず、ある程度動いていることが示されました。
1月を過ぎたらもう終わりかというと、そうとも言い切れません。栃木県の川では12月から2月にかけて刺網による駆除が行われ、網にかかったコクチバスはすべて30cm以上の大型でした。真冬の川でも、大型のコクチバスが網にかかっています。
春の動き出しの目安は水温です。福井県の水産課によると、コクチバスの産卵期は4〜7月で、水温15℃以上で産卵します。原産地では、春から初夏にかけて水温13〜20℃であれば産卵するとされています。
12月は食べていると考えられる時期、1月から2月は動きが鈍くても大型が残る時期、水温が上がる春は産卵へ動き出す時期。冬のスモールマウスバスは12月と真冬で分けて考えると、出かける計画が立てやすくなります。
水温と季節の目安は、水温で変わるバスの動きと季節の目安でも詳しく扱っています。
冬のスモールマウスバスを狙うなら正午から午後4時ごろ

冬のスモールマウスバスを狙うなら、日中のいちばん暖かい時間帯が向いています。バージニア州DWRの釣りの教育担当は、自身の経験から、冬の1日で最もよい時間帯は正午から午後4時ごろまでの最も暖かい時間帯だとしています。
この担当者は、暖かい日が3〜4日続くのが理想で、その3日目か4日目の午後に釣りに出る計画を立てるそうです。
理由は水温です。水温が数度上がるだけでも、スモールマウスバスが餌を食べるきっかけになりうるとされています。機会があれば、冬の深みの縁まで出てきて餌をとることもあります。
冷え込む朝に無理をしなくてもいいのは、冬には少しうれしい話です。冬のスモールマウスバスは、正午から午後4時ごろの暖かい時間帯に深みの縁まで探ると、冬の短いチャンスに合わせやすくなります。
朝の冷え込みから日中への組み立ては、冷え込む朝から日中までつなげる冬の組み立ても参考になります。
冬のスモールマウスバスのルアーは底近くをゆっくり通せるもの

冬のスモールマウスバスには、底近くをゆっくり通せるルアーが合わせやすい選択です。バージニア州DWRは、冬のスモールマウスバスは底にぴったり付いているため、低く遅く探ることが食わせる鍵になるとしています。
同じ解説で挙がっている攻め方は、次の4つです。
- ジグヘッド(おもりと針が一体の仕掛け)1/8オンスに3〜4インチのスイムベイトを付け、底に沿ってゆっくり巻く
- チューブ(筒形のワーム)をネッドリグ(小型のワームを軽いジグヘッドに付ける仕掛け)の形で付け、底をコツコツ当てながらゆっくり動かす
- ラバージグにトレーラーを付けたジグ&ポーク。冬に頼る人が多い
- クランクベイトやジャークベイト(小魚形のハードルアー)を、低い層に通す
どれも、底近くの低い層を通せる点が共通しています。冬のスモールマウスバスのルアーは、種類より「底近くをどれだけゆっくり通せるか」で選ぶと迷いが減ります。
冬の川でワームを使うなら、冬の川スモールのワームとダウンショットの通し方に具体的なワームをまとめています。湖も含めた深場の攻め方は、冬に深場で沈めて止めるルアーの選び方も合わせてどうぞ。
冬のスモールマウスバス釣りは落水と寒さへの備えを先に

冬のスモールマウスバス釣りでは、落水したときの低体温に備えておくと安心です。バージニア州DWRは、冷たい水と寒さの中では、落ちて濡れると低体温症の危険があると注意しています。
解説を書いた担当者自身も、冬はタオルと着替え一式を入れた防水バッグを必ず持っていくそうです。
釣り道具より先に、冬の川へ出るときはタオルと着替え一式を防水バッグに入れておく。それだけで、冬の水辺に立つ安心感がずいぶん違います。
濡れや汗で体を冷やさない服の重ね方は、汗と雨で濡らさない防寒着の重ね方で扱っています。
冬のスモールマウスバスを釣る前にリリースと持ち出しの決まりを知る

冬のスモールマウスバスを釣る前に、釣る県の再放流の決まりと、生きたまま持ち出さない決まりを知っておくと安心です。コクチバスは外来生物法で特定外来生物に指定されており、福井県の水産課によると、放出や運搬(生きたまま持ち出すこと)などは同法で禁止されています。違反した場合は、罰則の対象になります。
県によっては、釣った魚を戻すこと自体が禁じられています。たとえば長野県では、内水面漁場管理委員会指示第8号で、オオクチバス・コクチバス・ブルーギルを採捕した川や湖、その連続する水域に再び放すことが原則として禁じられています。
埼玉県でも、県の内水面漁場管理委員会の指示で再放流が禁じられています。オオクチバス・コクチバス・ブルーギル・チャネルキャットフィッシュを採捕した河川湖沼と、その連続する水域へ再び放せません。
遊漁券も川ごとに見ておきたいところです。水産庁によると、川や湖には地元の漁協が第5種共同漁業権の免許を受けている水面が多くあります。
千葉県は、漁業権の対象になっている魚を川や湖で釣る場合、漁協が発行する遊漁券を買い、遊漁規則の禁止区域や禁止期間を守る必要があるとしています。川ごとに規制の内容が違うため、釣る川の漁協か県の水産担当の部署に問い合わせておくと迷いません。
環境省の外来生物法のQ&Aによると、特定外来生物に指定されていても釣りはできます。釣った魚をその場で放すキャッチ・アンド・リリースも、法律の上では問題ありません。
禁止されるのは、釣った魚を持ち帰って飼うことや、移動させて放すことです。ただし、都道府県によっては条例などでキャッチ・アンド・リリースを禁止している場合があるため、釣る県の決まりも合わせて見ておく必要があります。
変わることがあるので、出かける前に環境省の外来生物法のQ&Aと、釣る県の決まりを確かめてください。
まとめ:冬のスモールマウスバスは深場の底近くを暖かい午後に

冬のスモールマウスバスは、川では深くて流れの緩い淵、湖では夏よりずっと深い場所にいて、動きは鈍くても小魚を食べています。だから狙いは、深場の底近くを暖かい午後にゆっくりです。
出かける日の準備は、次の順で進めると迷いません。
- 釣る県の再放流の決まりと、川の漁協の遊漁規則を見ておく
- 正午から午後4時ごろの暖かい時間帯を選ぶ
- 川なら深くて流れの緩い淵、湖なら深場の位置を見当づける
- 底近くをゆっくり通せるルアーを2〜3種類用意する
- タオルと着替えを防水バッグに入れておく
12月のうちに一度、暖かい午後に深い淵の底近くを探ってみると、冬のスモールマウスバスの様子がつかみやすくなります。出かける前に、釣る川の漁協に冬の遊漁の決まりを問い合わせておくと安心です。
冬の道具選びは、冬の川スモールに使う小魚形のワーム3種類と冬のバス釣りで深場に沈めるルアーでも詳しく扱っています。
