ブラックバスの適水温って、結局何℃なのか。水温計の数字を釣りにどう生かせばいいのか、気になりますよね。
結論から言うと、ブラックバスの適水温は、1つの範囲で覚えるより「何℃で何が起きるか」の境目で覚えるほうが役に立ちます。研究機関の資料が示しているのは、産卵する水温、深いところへ移る水温、餌を食べなくなる水温です。
この記事では、3つの水温の境目と、霞ヶ浦でその水温になる時期を順番に見ていきます。読み終えるころには、水温計の数字から、岸辺と深い場所のどちらを探すかを考えられるようになります。
ブラックバスの適水温は1つの範囲より境目で覚えると役に立つ

ブラックバスの適水温は、1つの範囲として覚えるより、水温ごとに起きる変化で覚えるほうが役に立ちます。釣りの記事でよく見る適水温の範囲は、研究機関や公的機関の資料では出典が見つかりませんでした。
その代わり、オオクチバスの水温の境目ははっきりしています。
- 産卵は約15〜24℃、ピークは20℃前後
- 繁殖期は水温16〜20℃前後の春から初夏
- 水温10℃前後の晩秋に深いところへ移る
- 5℃を下回るか37℃を上回ると、通常は餌を食べない
水温計の数字が、どの境目の近くにあるかを見れば、季節の中の今の位置が分かります。境目ごとの中身は、この後の見出しで1つずつ見ていきます。月ごとの流れとあわせて読むなら、バス釣りの時期と季節の考え方も参考になります。
ブラックバスが産卵するのは水温15〜24℃前後の春から初夏

ブラックバスのうちオオクチバスが産卵するのは、水温が15〜24℃前後になる春から初夏です。国立環境研究所の侵入生物データベースは、繁殖期を水温16〜20℃前後の春から初夏としています。伊豆沼・内沼研究報告も、約15〜24℃で産卵し、20℃前後で産卵のピークを迎えるという報告を紹介しています。
海の向こうでも答えはほぼ同じです。米国魚類野生生物局の資料によると、オオクチバスは水温が華氏59〜75度(摂氏約15〜24℃)に温まる春に産卵します。日本でも米国でも、産卵の水温はおおむね15〜24℃前後です。
時期でいえば、群馬県水産試験場は、オオクチバスの産卵は5月から7月で、群馬県では6月がピークとしています。卵がかえるのも早く、水温21℃なら3日間でふ化するという報告もあります。
ひとつ気をつけたいのは、オオクチバスは通常、産卵の間は餌を食べないことです。産卵の時期の釣り方は、スポーニング期の5月のバス釣りで扱っています。
ブラックバスは水温10℃前後になると深いところへ移る

ブラックバスのうちオオクチバスは、水温が10℃前後になる晩秋に深いところへ移ります。国立環境研究所によると、春から秋のオオクチバスは、水草地帯や障害物のある岸辺近くで活発に餌を求めて動き回ります。
水温が下がり続けると、居場所はさらに限られます。厳寒期には、沈木などの障害物の間で群れをなして越冬します。
つまり水温10℃前後は、岸辺で動き回る季節から、深いところで冬を越す季節への切り替わりの目安です。水温計が10℃に近づいてきたら、探す場所を変える頃合いです。この時期の狙い方は、水温10℃を境に決める晩秋の居場所とルアーにまとめています。
ブラックバスが通常は餌を食べないのは5℃未満と37℃超

ブラックバスのうちオオクチバスは、水温が5℃を下回るときと37℃を上回るときには、通常は餌を食べません。米国魚類野生生物局の資料では、その境目は華氏41度(摂氏5℃)と華氏98.6度(摂氏37℃)です。
オオクチバスがいちばんよく育つのは、温帯から亜熱帯の水域です。北の個体は、南の暖かい水域の個体と同じ大きさになるまでに、何年も多くかかります。
低い側の5℃は、冬の釣りで意識したい境目です。冬の釣り方は、寒い季節のバス釣りの戦略で扱っています。
ブラックバスのいる深さの水温は水面と同じとは限らない

ブラックバスがいる深さの水温は、水面で測った水温と同じとは限りません。琵琶湖環境科学研究センターによると、琵琶湖では春から夏にかけて、表層と深層の間に水温が急に変わる「水温躍層」ができます。
表層水温が30℃前後になる真夏でも、琵琶湖の水温躍層の下、水深20m以深は10℃前後のままです。ただし、躍層ができると上下の水が混ざらなくなり、躍層より下へ酸素が届きにくくなります。深い場所は水温が低くても、酸素が足りない状態になりうるので、冷たければよいとは限りません。
長野県環境保全研究所によると、水の密度は4℃のときに最も大きくなります。春や秋に表層の水温が4℃になると、表層の水が深層へ沈み、深層の水と混ざり合います。
表層と深層の水が混ざり合う時期は「循環期」、混ざり合わない時期は「成層期」と呼ばれます。秋に上下の水が入れ替わる仕組みは、ターンオーバーの仕組みと釣り方の変え方で詳しく扱っています。
ブラックバスの釣り場はいつ何℃になる?霞ヶ浦の1年の水温

ブラックバスの釣り場がいつ何℃になるかは、県が公開している観測値で目安がつかめます。霞ヶ浦・北浦では、茨城県水産試験場内水面支場が調査船で観測した地点別の水温と溶存酸素(水に溶けている酸素の量)が、県のページで公開されています。
霞ヶ浦湖心の水深0.5mの水温は、次のとおりでした。
| 観測日 | 水温 |
|---|---|
| 令和7年5月7日 | 18.6℃ |
| 令和7年6月3日 | 19.4℃ |
| 令和7年8月4日 | 29.8℃ |
| 令和7年11月7日 | 15.6℃ |
| 令和7年12月1日 | 12.4℃ |
| 令和8年1月7日 | 5.7℃ |
| 令和8年2月2日 | 5.5℃ |
| 令和8年3月9日 | 9.3℃ |
| 令和8年4月6日 | 14.8℃ |
| 令和8年5月7日 | 19.0℃ |
| 令和8年9月2日 | 26.7℃ |
前の見出しの境目に当てはめると、5月上旬から6月上旬は、繁殖期の16〜20℃前後にちょうど入っています。12月1日は12.4℃、3月9日は9.3℃で、10℃前後の境目をはさむ時期です。1月と2月は5℃台まで下がっています。
霞ヶ浦の11月から12月の水温の動きは、県の観測値で追う霞ヶ浦の11月のバス釣りでも扱っています。
観測値は更新されるので、出かける前に茨城県水産試験場の公式ページで最新の値を見ておくと安心です。
スモールマウスのブラックバスはより低い水温の水域にも入る

スモールマウスのブラックバス、つまりコクチバスは、オオクチバスより冷たい水域にも入ります。国立環境研究所によると、コクチバスは原産地ではオオクチバスより寒冷な水域に分布する傾向があり、オオクチバスより低水温や流れのある水域にも侵入できます。
産卵の水温も、少し低い側にずれています。原産地では、春から初夏にかけて水温13〜20℃であれば産卵します。
オオクチバスの繁殖期の16〜20℃前後と比べると、下の端が低い範囲です。コクチバスの繁殖期は5〜7月とされています。同じブラックバスでも、水温の物差しが少し違うのはおもしろいところです。
まとめ:ブラックバスは水温の境目ごとに狙う場所を変える

ブラックバスの適水温は、産卵の15〜24℃前後、深場へ移る10℃前後、餌を食べない5℃未満という3つの境目で覚えると、判断しやすくなります。今の水温がどの境目の近くにあるかで、岸辺を探すか深い場所を探すかが決まります。
次の順番で見ていくと迷いません。
- 釣り場の近くに公的な水温の観測値があるか探す
- 水温計で表層の水温を測る
- その水温が、産卵・深場への移動・餌を食べない境目のどこに近いかを見る
- 岸辺か深い場所か、探す深さを決める
水温計を1本持っていくだけで、その日の湖が少し読みやすくなります。季節ごとの組み立てを続けて読むなら、冬のバスを探す方法が参考になります。

