バス釣りの人気スポットとして知られる津久井湖で、「一度釣りをしてみたい」と思っているアングラーも多いのではないでしょうか。
「津久井湖の魅力は何か」「現地のルールはあるのか」など、気になる点も少なくないと思います。
実際、津久井湖でバス釣りを楽しむために知っておいた方がよい情報は数多くあります。この記事では、津久井湖でのバス釣りに役立つ基本情報やルール、釣果が期待できるスポットなどを紹介します。
この記事を参考に、ぜひ津久井湖でのバス釣りを存分に楽しんでください。
津久井湖で「バス釣り」が人気の理由

多くのアングラーが津久井湖に惹きつけられるのはなぜでしょうか。その理由は単に魚がいるからというわけではなくアクセスの良さ、フィールドの特性、そして独特の挑戦性が絶妙なバランスで融合している点にこそその本質があります。
1. 首都圏から日帰りできるアクセスの良さ
津久井湖最大の魅力の一つはその驚くべきアクセスの良さです。東京都心部からでも日帰り釣行が十分可能な距離に位置しており、多忙な現代のアングラーにとって貴重な存在となっています。
車でのアクセスは非常に便利で、横浜方面から国道からは国道16号線を経由し、橋本駅から国道413号線に入り約30分で到着します。また圏央道の相模原ICからも近く、インターを降りてからわずか数分で湖畔にたどり着くことができます。
交通機関だと、JR横浜線・相模原線、または京王相模原線の橋本駅が起点となります。駅北口のバスロータリーから神奈川中央交通(神奈中)バスの「三ヶ木(中野経由)」行きに乗車し、約20分から30分。「津久井湖観光センター前」や「城山高校前」バス停で下車すれば目の前がもうフィールドです。
2. 攻略しがいのあるリザーバー地形(岩盤・立ち木)
津久井湖は、城山ダムによって誕生した典型的なリザーバー(ダム湖)であり、その地形はバスアングラーの探求心をくすぐる要素に満ちています。湖の大部分は「ドン深」と呼ばれる急深な地形で垂直に切り立った岩盤のがけに囲まれています。
ダム建設時に湖底に沈んだ立ち木や旧道志村の集落跡、神社の跡地などが複雑な水中ストラクチャーを形成しているのでバスが身を寄せベイトフィッシュを待ち伏せする一級のポイントです。
3. おかっぱりとボート釣りの両方が楽しめる
津久井湖は、おかっぱりとボートと二つの異なるスタイルで楽しめます。
おかっぱりでの釣りは手軽に楽しめます。エントリーできる場所が限られており特に週末は人気ポイントに釣り人が集中します。そして急な斜面も多く安全には十分な注意が必要です。しかし、足場の良い「中沢ワンド」のような定番ポイントもあり、戦略を練れば十分に釣果を期待できます。おかっぱりアングラーに求められるのは、限られたスペースの中でいかに精度高くそして粘り強くバスにアプローチできるかという技術です。
一方ボート釣りは陸からは決して届かない沖の水中島や橋脚、対岸の岩盤や立ち木と言った一級ポイントを自由に攻めることができプレッシャーの低いフレッシュなバスを狙うことが可能です。この日の状況を読みバスの居場所を特定していく「パターンフィッシング」の面白さはボート釣ならではの醍醐味と言えるでしょう。
4. 相模湖とは一味違う、テクニカルなフィールド
津久井湖のすぐ上流には、同じく人気のバス釣りフィールドである相模湖が存在します。この二つの湖はしばしば比較されますが、その性格は大きく異なります。
一般的に津久井湖は相模湖に比べてレンタルボート店の数が少ないため、湖上のボート数が抑制され人的プレッシャーが比較的低いといわれています。その結果津久井湖のバスはコンディションがよくスレていない素直な個体に出会える可能性が高いとされています。
また津久井湖は水中島やブレイクラインといった目に見えない水中地形の変化を読んでいく釣りが主体となります。これはよりテクニカルで魚群探知機を読み解くスキルや地形変化への深い理解が求められます。
津久井湖のおすすめバス釣りスポット

広大で複雑な津久井湖ですが、バスが好む場所には一定の傾向があります。ここではおかっぱりとボート、それぞれの視点から実績の高い定番ポイントを徹底解説します。
陸っぱり(おかっぱり)のおすすめ定番エリア
- 中沢ワンド(なかざわワンド)・・・津久井湖の陸っぱりにおいても、最も人気と実績のあるポイントの一つです。足場が比較的よく、初心者でも安全に釣りを楽しめます。ワンド内にはブレイクラインが比較的よく初心者でも安全に釣りを楽しめます。ワンド内にはブレイクラインや石垣、水中に沈んだ切株(スタンプ)などが点在し、バスの付き場が豊富です。
- 三井大橋周辺(みいおおはししゅうへん)・・・湖を横断する大きな橋で、その橋脚は陸っぱりから狙える一級のストラクチャーです。特に西岸側には駐車場がありそこからアプローチが可能です。橋が作り出すシェード(日陰)や、橋脚という縦のストラクチャーにバスが付きやすく季節を問わず釣果が期待できます。
- 名手橋周辺(なてばしゅうへん)・・・水位が低い時期には陸っぱりでアプローチできる範囲が広がるエリアです。橋のシェードはもちろん、沖に伸びるブレイクラインが主な狙い目となります。減衰時には普段は水没している地形が現れ思わぬチャンスが生まれることもあります。
- 沼本ワンド(ぬもとワンド)・・・最上流部に位置する広大なシャローフラットエリアです。減水時には広範囲を歩いて探ることができ陸っぱり天国と化します。ただし、底質は泥が多くぬかるみやすいので足元には注意が必要です。ボート陸っぱり問わず人気で常にアングラーの姿が見られているエリアです。

ボートで狙う一級ポイント(水中島・立ち木エリア)
ボートをてにしたなら陸からは決して届かない沖の秘境を攻めることができます。魚群探知機を駆使して湖底に眠る宝を探しだしましょう。
津久井湖にはかつて山の頂上や丘が水没してできた水中島が点在します。これらの水中島は沖を回遊するバスが立ち寄るフィーディングスポット(捕食場所)や休憩場所となります。
- 寺下~串川放水路エリア・・・この一帯には水中島や水中岬が複数存在し、50cmアップの大型バスが多数沈むと言われる超有望エリアです。
- 老人ホーム下・・・岬の先端沖に水中島が水面に顔を出すこともありバスがストックされているのを目視できることもあります。
- 馬渡ワンド沖・・・夏の減水期には島が水面に顔を出すこともありバスがストックされているのを目視できることもあります。
水中に林立する立ち木はバスにとって絶好の隠れ家です。
- 名手ワンド・・・このワンドの南西ブに位置する「崩落跡+立ち木」が絡む複合スポットは、津久井湖でもNo.1の実績を誇る場所として知られています。多くオンロコアングラーが必ずチェックする鉄板ポイントです。
- 三井大橋周辺や馬渡ワンド・・・これ他のエリアにも沈んだ立ち木や切り株が点在しており丁寧に探る価値があります。
釣果の鍵を握る主要ワンドと橋脚周りの攻め方
津久井湖には大小さまざまなワンド(入り江)と橋が存在しますが中でも特に重要ないくつかのエリアは攻め方を知っているかどうかで釣果に天と地ほどの差が出ます。
大沢ワンド(おおさわワンド)
構造・・・入口には岬が張り出し風が当たる側はベイトフィッシュが溜まる絶好のチャンスゾーンとなります。ワンド内には大規模なレイダウン(倒木)、岩盤、そして最奥には水質を府フレッシュに保つ流れ込みがありあらゆる要素が凝縮されています。
攻め方・・・プレッシャーが非常に高いため、一筋縄ではいきません。ストラクチャーにタイトについているバスを狙うため根掛かりしにくいスピナーベイトやスモールラバージグ(スモラバ)、テキサスリグなどでカバーを丁寧に撃っていくのが基本です。また、岩盤沿いをダウンショットリグで探るのも効果的です。
三井大橋の橋脚(みいおおはしきょうきゃく)
構造・・・岸側で水深15m、沖側では28mにも達するディープストラクチャーで、底は岩盤になります。
攻め方・・・ここでのかぎは「中層」です。ワカサギの群れについてサスペンド(中層に浮いている)しているバスが多いため魚群探知機でベイトの群れとその下に移るバスの影を探し、その水深にルアーを直撃される「シューティング」と呼ばれる釣りが極めて有効です。ボトム(底)を釣るのではなくベイトのレンジ(水深)を釣るという意識が重要になります。
馬渡ワンド(まわたりワンド)
入口にある「馬の背」と呼ばれる水中尾根が特徴的なワンドです。この地形変化を巻物やジグで探るのがセオリーです。
沼本ワンド(ぬもとワンド)
広大なシャローフラットで満水時にはワンド全体がウィードやアシなどのカバーで覆われてます。カバー撃ちの天国となりますがヘブラナ釣りや陸っぱりのアングラーも多いため航行には注意が必要です。
津久井湖の季節別バス釣り攻略法

バスは季節によって行動パターンを大きく変える魚です。津久井湖の指揮を理解し、その時期に合わせた戦略を立てることが安定した釣果への最短ルートです。
春(スポーニングを意識したシャロー攻略)
バスの行動
産卵(スポーニング)のために水温の上がりやすいシャロー(浅場)へと移動してきます。
狙うべき場所
まずはディープ隣接した岬の先端や水中ハンプといった「中継地点」で一度足を止め水温の上昇を待ちます。日当たりが良く風裏になりワンドの奥なども有望です。
有効なルアーと戦術
低水温でまだ動きの鈍いバスや産卵を控えてナーバスになっているバスに対しスローな釣りが効果を発揮します。ミドスト(ミッドストローリング)、ネコリグ、ハードベイトなどが有効です。
夏(シェードとディープ、虫パターンが有効)
バスの行動
高水温お強い日差しを嫌い、バスは快適な環境を求めて移動します。その避難場所は大きく分けて二つ「涼しい日陰(シェード)」と「水温が安定する深場(ディープ)」です。
狙うべき場所
シェード(岸際に垂れ下がる木々や三井大橋などの橋脚が作り出す濃いシェードは夏の一級ポイント)。カレント(流れ)とディープ(道志川のバックウォーターと水温が安定するディープの岩盤などが有効)
有効なルアーと戦術
虫パターンをオーバーハングの下に浮かべ波紋だけで誘う釣り手法。ディープの岩盤やハンプを探るには、ダウンショットリグが最適です。HPシャッドテール2インチのような小型ワームを使いボトムを丁寧に探ります。食い気味のないバスには7gなどの重めのシンカーを使ったリアクションダウンショットも有効です。
秋(ベイトフィッシュを追いかけるバスを広範囲に探る)
夏の高水温から解放されバスの活性は一年で最も高くなります。バスは冬に備えて積極的にエサを追い求めワカサギなどのベイトフィッシュの群れを追って湖中を広範囲に回遊します。
狙うべき場所
「ベイトフィッシュがいる場所」がそのままポインチになります。魚群探知機を駆使してワカサギの群れを探しその周辺を狙うのが最も効果的です。具体的には大沢ワンド、流れの当たる岬、そして三井大橋などが狙い目となります。
有効なルアーと戦術
広範囲に散った高活性のバスを効率よく探すため、「巻き物」と呼ばれるファストムービングルアーが主役となります。スピナーベイト・クランクベイト、ヘビーキャロライナリング、巻物で反応があったエリアやボート際までチェイスしてきたバスに対しネコリグやスモラバといった食わせのルアーを投入することでさらに釣果を伸ばすこともできます。
冬(ディープに隣接する越冬エリアのリアクション攻略)
バスは水温が低下すると活動を最小限に抑え、水温が安定するディープエリアで動かなくなります。
狙うべき場所
冬のバスは急深な岬の裏側やディープに隣接する岩盤の張りだしなど風や流れを避けられる安定した環境に集まります。ここでも魚群探知機が必須となりワカサギの群れが映る水深と、それに絡む地形変化を見つけ出すことが戦略となります。
有効なルアーと戦術
メタルバイブレーションでボトムまで沈め竿を大きくシャクあげてはフォールさせる「リフト&フォール」で反射食いを誘うのも効果的です。また、14gなどの思いシンカーを使ったフリーリグやダウンショットでワームに素早いダートアクションを与えます。
津久井湖のバス釣りで知っておくべき重要情報
津久井湖で釣りをするには年齢を問わず「遊漁券(ゆうぎょけん)」の購入が義務付けられています。これは地元の漁業協同組合が発行するもので釣りによる収益が放流事業や漁業の環境整備などに充てられています。
遊漁券は必須!料金と購入場所について
現地購入場所
津久井湖周辺のレンタルボート店(津久井観光、沼本ボートなど)や一部の釣具店、商店で購入できます。赤い「遊漁券取扱所」ののぼりが目印です。
コンビニエンスストア
セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどの店内に設置されているマルチメディア端末(JTBレジャーチケット)でも購入可能です。
オンライン購入
最も便利なのがオンラインでの事前購入です。「つりチケ」や「FISHPASS」といったサービスを利用すれば24時間365日スマートフォンやPCからクレジットカード決済などで簡単に購入できます。釣り場に向かう途中の車内や到着後の駐車場でも購入できるため時間を無駄にしません。
料金
料金は日釣券と年券があり、魚種や漁協によって異なります。購入時に最新の料金を確認してください。年券を購入する場合は証明写真が必要になります。
津久井湖のルールと注意点(ヘラブナ釣りへの配慮)
安全で楽しい釣りを続けるためには公式ルールと釣り人同士のマナーを守ることが不可欠です。
釣り禁止エリア
安全確保のため城山ダムと沼本ダムの上下流200m、および城山発電所の取水口。放水口周辺は立入・釣り禁止となっています。湖上に浮かぶ柵で囲まれた水温系へのキャストも禁止です。春の産卵期には「産卵保護エリア」を設ける場合があります。現地の看板や情報を必ず確認してください。
ルアーの規制
バス資源保護の観点から一部のレンタルボート店ではアラバマリグの使用が禁止されています。
魚のリリースについて
神奈川県の条例では複雑な規定がありますが、津久井湖漁協の管理する津久井湖において釣ったラージマウスバスのリリースは認められています。
最重要マナー
ヘラブナ釣り師への配慮が必要です。ヘラブナ釣り師を見つけたら必ず十分に距離を取りエンジンをデッドスロー(最徐行)にして静かに通過するのが鉄則です。
おすすめのレンタルボート店情報
津久井湖には個性豊かな4つの主要レンタルボート店がありそれぞれに特徴があります。自分の釣りのプランに合わせて最適なボート店を選びましょう。
| 店舗名 | 位置 | 特徴 | 連絡先/HP |
|---|---|---|---|
| 沼本ボート | 上流域 | 最上流に位置し、道志川バックウォーターへのアクセスが最も良い。 | 042-685-0347/HP |
| 津久井観光ボート | 中流域 | 湖の中央にあり上流・下流どちらへもアクセスしやすい。NBCチャプターなどトーナメントの拠点 | 090-4751-4706/HP |
| 矢口釣具店 | 中~外流域 | 釣具店が運営。釣行前に最新の情報収集やルアーの補充ができる。 | 042-784-0251/HP |
| 中村ボート | 外流域 | シンプルな設備だが、料金が比較的安価。朝早くから出船できるため一日を長く使いたい人におすすめ。 | (現地にて受付) |
周辺の駐車場とアクセス情報
陸っぱりアングラーにとって駐車場の確保は重要な問題です。津久井湖周辺には無料で利用できる県立津久井湖城山公園の駐車場があります。
水の苑地駐車場・・・65台収容。外流域、ダムサイト近く。(住所)相模原市緑区城山2-9-7
花の苑地駐車場・・・第1・第2合わせて118台収容。津久井湖観光センターに隣接。(住所)相模原市緑区根小屋162
根小屋地区駐車場・・・43台収容。三井大橋方面へのアクセスに便利。(住所)相模原市緑区根小屋162
これらの公園駐車場の利用時間は午前8時から午後7時までです。午後7時にはゲートが完全に閉鎖されますのでタマズメを狙ってギリギリまで釣りをする際には必ず時間を厳守してください。
津久井湖のバス釣りまとめ
バス釣りのアングラーにとって津久井湖はとても魅力的な場所です。
アクセスの良さ、地形のよさ、おかっぱり釣りとボート釣りが両方楽しめるなどバリエーション豊富な楽しみ方ができます。バス釣りスポットもいくつかあり、それぞれの釣り方やコツなどがあるので攻略していく楽しさがあります。
季節によってバスの行動が変わってくるので季節や天候を考えながらバス釣りをしたいもの。
津久井湖では遊漁券が必要になるので購入方法や料金、注意事項などはあらかじめしっかり調べておくようにしましょう。






