合角(かっかく)ダムでバス釣りをしてよいのか、遊漁券がいるのか、出かける前に確かめておきたいところです。
結論から言うと、バス釣りはできます。ただし漁協がバス狙いにも遊漁券の購入を求めており、埼玉県では釣ったバスの再放流が禁止されています。
この記事では、遊漁券とリリースの決まりと、岸から狙える地形、季節ごとの狙い方を整理します。読み終えるころには、当日までに何を準備すればよいかが分かります。
合角ダムのバス釣りは遊漁券とリリース禁止を先に確かめる

合角ダムのバス釣りで先に確かめておきたいのは、遊漁券・リリース・禁止区域の3つです。どれも現地に着いてから知ったのでは遅く、知らずに釣りを始めると無駄足や規則違反につながります。
吉田川を堰き止めた埼玉県営の多目的ダム
合角ダムは、荒川水系の吉田川を堰き止めて造られた埼玉県営の多目的ダムです。完成は平成15年(2003年)で、名前は湖に沈んだ合角地区にちなみます。このダムでできた人造湖が西秩父桃湖です。
堤の高さは60.9m、総貯水容量は1,025万立方メートルあります。ダム本体は秩父市にあり、湖の一部は隣の小鹿野町にまたがります。
釣果データベースのアングラーズには合角ダムの釣果投稿が146件あり、直近1か月もブラックバスの報告が上がっています。ワカサギやナマズの記録もある湖です。
公共交通で向かうなら、西武秩父駅から西武観光バスの「吉田元気村」行きに乗り、終点で降りて徒歩約10分です。ダムのそばには入浴施設を備えた吉田元気村があります。ダム側には無料の駐車場も設けられています。
バス狙いでも遊漁券の購入が求められている
合角ダムの湖面は、秩父漁業協同組合が漁業権を持つ漁場に含まれています。漁協は2021年3月から、バス狙いの釣り人にも遊漁券の購入を求めています。
理由は混獲です。漁協は、バス狙いであっても他の魚種が混獲される恐れがあることを理由に挙げています。漁業権の対象になっているのは、こい・ふな・わかさぎなどの10種です。
料金は日釣券1,000円、年券6,500円です。現場で漁場監視員から買うと2,500円になるため、釣具店やコンビニなどの取扱店で先に買っておくほうが確実です。年券の購入には縦4cm・横3cmの写真が要ります。
再放流も生かした持ち帰りもできない
埼玉県では、内水面漁場管理委員会の指示により、オオクチバス・コクチバス・ブルーギルなどの再放流が県内の公共用水面全域で禁止されています。合角ダムもこの対象に含まれます。指示は毎年度更新される形で出されており、現在の有効期間は令和9年(2027年)3月31日までです。
国の外来生物法だけを読むと、釣った魚をその場ですぐ放す行為は規制の対象になっていません。埼玉県で再放流ができないのは、この県の委員会指示によるものです。
持ち帰りにも決まりがあります。オオクチバスは特定外来生物にあたり、生きたまま運ぶことや生かしたまま保管しておくこと、持ち帰って飼うことは外来生物法で禁じられています。違反すると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されることがあります。
それでも釣った魚の行き先はあります。環境省は、釣った特定外来生物をその場で締めたうえで、持ち帰って食べることは問題ないとしています。
出典:環境省・外来生物法Q&A
堰堤まわりは通年の禁止区域
秩父漁協の遊漁規則には禁止区域が定められています。吉田川のうち、合角ダムの上流200mから下流300mまでの区域は、1月1日から12月31日まで遊漁ができません。
堰堤を挟んで湖側の200mと、下流の川側300mが対象です。ダムのまわりは見学や紅葉の時期の行き先として案内されていますが、竿を出す場所ではありません。
出典:秩父漁業協同組合遊漁規則
あわせて同じ規則で、釣りに使える道糸は2本以内と定められています。
合角ダムのおかっぱりは湖岸の地形変化を拾って歩く

合角ダムのおかっぱりは、湖岸の道路から入れる場所を探し、地形の変化を一つずつ確かめる釣りになります。山あいのダム湖は岸からすぐに水深が出ることが多く、一般的には足元の変化を丁寧に探る釣りが向くとされています。
なお、湖のボートスロープは秩父漁業協同組合の管理下にあり、閉鎖される日もあります。持ち込みの条件は公表されていないため、ボートやカヤックを考えている場合は漁協に確認したうえで計画してください。ここでは岸からの釣りを前提に整理します。
上流の流れ込み
湖の上流には吉田川が注ぎ込みます。流れ込みは酸素と餌が供給されやすく、季節を問わず魚が寄りやすい地形とされています。
ダム湖の上流部は一般的に水深が浅く、春から秋にかけて探しやすい場所とされています。特に水温が上がる真夏は、流れのある場所が有力な選択肢になります。
橋のまわりの地形変化
湖の中ほどには、小鹿野町が管理する斜張橋の合角漣大橋(かっかくさざなみおおはし)が架かっています。橋が架かる場所は湖の幅が絞られていることが多く、岸の張り出しや地形の変化を探す目印になります。
橋そのものは小鹿野市街と日尾・藤倉地区を結ぶ、幹線道路の役割を持つ町道です。路上に駐停車せず、駐車できる場所から歩いて入ります。
ワンドと岬の張り出し
湖岸線が入り組んだ場所では、ワンドと岬が交互に現れます。一般的に、ワンドの奥は水が緩んで魚が休みやすく、岬の先端は風と流れが当たって餌が集まりやすいとされています。
どちらを選ぶかは季節と時間帯で変わります。迷ったら岬の先端から探し始めると、浅場と深場の両方を一度に確かめられます。
なお、堰堤に近い岸は前の章で述べた禁止区域にあたります。地形が良く見えても近づかないでください。
合角ダムのバス釣りは季節で狙う層が変わる
合角ダムのバス釣りは、季節ごとに狙う水深と場所を変える組み立てが基本になります。秩父の山あいにあるため、一般的には平地の釣り場より春の水温の上がり始めが遅く、秋の冷え込みは早くやってくるとされています。
春(3〜5月)
春は産卵(スポーニング)の季節で、バスが深場から岸近くの浅場へ寄ってきます。ワンドの奥や流れ込みまわりの浅場が探しどころです。
山あいの湖は春先の水温がまだ低いため、日中に水温が上がる時間帯が狙い目とされています。動きの遅いワームでゆっくり見せる釣りが向いています。
夏(6〜8月)
夏は朝夕のまずめ(日の出前後と日没前後の薄明の時間帯)が中心になります。日中は水温が上がり、バスは日陰や流れのある場所に寄ります。
流れ込みや橋の影など、水が動く場所と影になる場所を優先して回ります。トップウォーターで表層を狙えるのもこの季節です。
秋(9〜11月)
秋はバスが餌を追って広く動くため、1か所で粘るより歩きながら広く探す釣りが向いています。ワンド・岬・流れ込みを順番に回り、反応のある場所を絞り込みます。
水温が下がり始めると、バスが小魚を追う行動が目立つようになります。小魚を模したハードルアーが効きやすい季節です。
秋が深まるにつれて、反応する水深は少しずつ下がります。朝夕は浅場、日中は少し深い場所という使い分けが基本です。
9月中旬にわかさぎ釣りが解禁されると、湖にはわかさぎ狙いの釣り人も増え始めます。
冬(12〜2月)
冬はバスの動きが遅くなり、深場に近い場所でじっと過ごす時間が長くなります。おかっぱりでは、深場に隣接する岬の先端などが数少ない狙いどころです。
冬の西秩父桃湖はわかさぎ釣りが本番になります。解禁は秋の9月中旬で、2025年度は9月13日でした。期間は年度ごとに秩父漁業協同組合が公表します。
湖上と岸にわかさぎ釣りの人がいる時期です。仕掛けや釣り座から十分な距離を取り、場所を分け合って竿を出します。
季節ごとのバスの動きは、湖を問わない形で別の記事にまとめています。
合角ダムのバス釣りは岸際を丁寧に見せるワームが軸になる
持っていくルアーの軸を1つに絞るなら、岸際をゆっくり見せられるワームです。立ち位置が限られる山あいの湖では、広く速く探るより、入れる場所を丁寧に探る釣りが組み立ての中心になります。アングラーズの直近1か月の釣果も、ワーム系の仕掛けと小魚を模した小型のハードルアーで出ています。
ワーム系リグ

リグとは、ワームと針・オモリの組み合わせのことです。まずは次の3つがあれば、岸からの釣りを組み立てられます。
- 岸際に落としてじっくり見せるネコリグ
- 底をゆっくり引いて探るダウンショットリグ
- 障害物のまわりを恐れず撃てるテキサスリグ
最初の1匹を狙うならネコリグが定番とされています。岸と平行に投げ、足元の地形変化に沿ってゆっくり動かします。
ハードルアー

広い範囲を速く確かめたいときはハードルアーの出番です。小魚を模したシャッドやミノーは、バスが小魚を追う秋に特に出番が増えます。
巻くだけで泳ぐため、地形をまだ把握できていない場所の1投目にも向いています。根がかりが心配な場所ではワームに戻します。
トップウォーター

水面で音や波紋を立てて誘うトップウォーターは、夏の朝夕が本番です。バスが水面を割る瞬間まで見えるため、釣りの面白さが最も分かりやすいルアーでもあります。
日が高くなったら無理に続けず、ワームやシャッドに切り替えます。
ルアーの種類ごとの違いは、別の記事で基礎から整理しています。
まとめ:ルールを確かめてから合角ダムへ
合角ダムのバス釣りは、遊漁券・再放流禁止・堰堤まわりの禁止区域という3つのルールを押さえることから始まります。どれも現地に着いてからでは間に合わないものばかりです。
特に忘れやすいのが再放流の扱いです。埼玉県では釣ったバスをその場で放すことも禁止されています。ほかの県の感覚のまま釣りをすると、知らないうちに委員会指示に違反することになります。
持ち物の軸はワームです。岸際をゆっくり見せる釣りを中心に、秋はシャッド、夏の朝夕はトップウォーターを足す形で組み立てます。
日釣券は現場で買うと2,500円、取扱店で先に買えば1,000円です。遊漁券を用意して、ルールを確かめたら、あとは湖岸を歩いて探すだけです。


