多摩川でのバス釣りは、アングラーにとって非常に人気の高いスポットです。一方で、初心者にとっては「多摩川での釣りは難しくないの?」「現地にルールはあるの?」といった疑問や不安も多いのではないでしょうか。
実際、多摩川でバス釣りを楽しむには守るべき規則やルールがあります。この記事では、多摩川でのバス釣りについて詳しく解説しています。
この記事を読めば、多摩川でのバス釣りの魅力やルール、注意点を理解でき、安心して釣行に出かけられるようになるでしょう。
なぜ多摩川でバス釣りが人気なのか?

多摩川は都会の利便性と手付かずの自然が奇跡的に融合した唯一無二の体験ができる場所だから人気であると言えます。
1. 都心からすぐ!アクセス抜群の都市型河川
多摩川の最大の魅力はその圧倒的なアクセスの良さにあります。都心から電車を乗り継いでわずかな時間で本格的なバス釣りが楽しめます。
例えば、中流域の有名なポイントである登戸エリアは小田急線やJR南武線の登戸駅から徒歩僅か10分ほどで川岸に立つことができます。遠くまで足を運ぶ必要がなく手軽に行ける多摩川は最高の立地と言えます。
2. スモールマウスバスの強烈な引きが味わえる
多摩川の主役は何といってもスモールマウスバス、通称「スモール」です。この魚は同サイズの他の魚とは比較できないくらい強烈なファイトで知られています。これらは常に流れのある川で生活することでその体は驚くほど筋肉質に鍛え上げられているのです。
その引きの強さは「ランカーシーバス(大型のスズキ)に匹敵する」「コイとシーバスの中間のような面白さ」と表現されており、一度味わうと誰もが虜になります。これは力と技が試されるスポーツであり困難の末に魚を釣り上げた時の達成感が多くのアングラーを惹きつけるのです。
3. 広大で変化に富んだおかっぱりポイント
多摩川の上流から下流まで約50kmわたり岸から釣る「おかっぱり」で狙えるポイントが無数に点在する変化に富んだダイナミックなフィールドです。
川の中に大小10ヶ所以上もの「堰(せき)」があり、川の流れに変化を生み出しています。また、鉄道や道路の「橋脚」、護岸を守るために設置された「テトラ帯」、川底が独特の定常に削られた「牛群地形(うしぐんちけい)」と呼ばれる珍しい地形など魚が身を隠すためのストラクチャーが豊富です。
4. 無料で楽しめるという手軽さ
原則として多摩川の河川敷へ立ち入るのに入場料はかかりません。誰でも気軽に川辺に立ち釣り竿を出すことができます。
しかし実は多摩川の多くのエリアは漁業協同組合によって管理されており特定の魚種を釣るためには「遊漁券(ゆうぎょけん)」と呼ばれるライセンスの購入が義務付けられています。この点については後程詳しく説明します。
多摩川のおすすめバス釣りエリア

広大な多摩川の中から特に初心者でも実績を上げやすく特徴的なエリアを上流域と中流域に分けてご紹介していきます。
上流域のおすすめスポット(羽村の堰周辺など)
多摩川の上流域、特に「羽村取水堰(はむらしゅすいせき)」周辺は、奥玉漁協や秋川漁協といった異なる漁業協同組合によって管理されており主なターゲットはヤマメやニジマスなどの渓流魚です。
このエリアもバスは生息していますが中流域よりは少なめです。
注意点として、このエリアは渓流魚の保護が目的で遊漁のルールや料金体系が中流域より厳格に決められています。
中流域のおすすめスポット(登戸・府中四谷・二子玉川周辺など)
登戸・宿河原堰(のぼりと・しゅくがわらぜき)周辺
「激戦エリア」と呼ばれるほど人気があり場所です。「二ヶ領宿河原堰」を中心にその下流には岩やテトラが複雑に入り組んでおり、まさにバスの絶好の隠れ家となっています。あらゆるストラクチャーがある一級ポイントです。ただし、堰の周辺には釣り禁止区域が設定されているため標識をよく確認しルールを必ず守りましょう。
府中四谷・郷土の森周辺
府中四谷橋から是政橋にかけてのエリアです。特に支流である大栗川との合流点は異なる水質の水が混ざり合いベイトフィッシュ(餌となる小魚)が集まりやすいため常にバスのストックが期待できます。この周辺には多摩川上流水再生センターからの温排水が流れ込むので特に水温が低下する冬場には他のエリアよりもバスの活性が高く保たれている貴重な場所です。
二子玉川・兵庫島公園周辺
駅近くの「兵庫島公園(ひょうごじまこうえん)」周辺には野川が多摩川に合流する地点にあたり変化に富んだ流れがバスを惹きつけます。このエリアはスモールマウスバスだけでなくシーバスやナマズの魚影も濃く多彩なターゲットが狙える魅力的な場所です。
釣果の鍵を握る「堰」「橋脚」「合流点」「テトラ帯」の攻め方
多摩川のバスは特定のストラクチャーに集まる習性があります。彼らは流れを避けて体力を温存しつつ流れてくる餌を効率よく捕食するためにストラクチャーを利用します釣果を上げるためにはこれらのストラクチャーが作り出す流れのヨレ(よどみ)を見つけだし、そこを的確に攻めることです。
- 堰の上流側は流れがせき止められるため湖のように流れが緩やかになります。梅雨時期などで川全体が増水し濁りがきつい時には比較的影響が少ない堰上が狙い目となります。
- 堰の下流側は堰を越えた水が落下することで水中に酸素が豊富に供給され流れも複雑になります。バスはこの流れが作り出すヨレや反転流に潜んで上流から流れてくる無防備なエサを待ち構えています。「ドリフト釣法」(後述します。)で攻略するのに最適な方法です。
- 橋脚の上流側は水の流れが直接当たるため川底が吹かうえぐれていることが多く、バスが定位する絶好の隠れ家(ディープホール)になっています。
- 橋脚の下流側は流れの当たらない「カレントシャドー(流れの影)」ができ、ここもバスが好む休憩・待ち伏せポイントです。
- 大栗川や浅川のような支流が本流に合流する場所は、常に有望なポイントです。水温や水質の異なる二つの流れがぶつかることで複雑なヨレが生まれるだけでなく、支流から豊富なエサが供給されるため多くのバスがこの周辺に集まってきます。
- コンクリート製のテトラポットが積まれたエリアでは身を隠せるためバスがよくストックされています。しかしすき間が多いためルアーがひっかるやすい(根掛かりしやすい)のが難点です。テトラの隙間や際を丁寧に探るには根掛かりにし杭「フリーリグ」や「ネコリグ」といった仕掛けが有効です。

多摩川(スモールマウスバス)の季節別攻略法

多摩川のスモールマウスバスは季節の移り代わりとともに生活する場所や行動パターンを大きく変化します。アングラーもその変化に合わせて釣り方や狙う場所を合わせていくことが安定した釣果への近道です。
春(スポーニングを意識した瀬やヨレの攻略)
春は一年最もバス釣りがしやすい季節と言えます。この季節の行動の引き金となるのが「水温」です。バスは水温安定して10℃を超えるようになると冬眠から目覚めて活発にエサを追い始めます。
プリスポーン(産卵前・2月下旬~4月)
産卵を控えたメスのバスは体力をつけるために非常に貪欲にエサを捕食する「荒食い」の時期は大型バスを狙う最大のチャンスです。産卵場所となるシャローエリアに隣接した少し水深のある場所や流れのヨレなどをワームやスモールラバージグをゆっくりとそこで引いてくるような釣り方で狙うのが効果的です。
スポーニング(産卵期・4月~5月)
バスは流れが緩やかで硬い底質のシャローに「ネスト」と呼ばれる産卵床を作ります。この時期のネストを守る押すは非常に攻撃的になり簡単に釣れてしましますが保護の観点から意図的にネストを狙う釣りは推奨されません。
代掻き(しろかき)への対応
5月頃になると周辺の田んぼから「代掻き」の濁った水が川に流れ込み水質が急激に悪化して釣りが難しくなることがあります。支流の合流点や堰の上流側など比較的濁りの影響が少ないエリアを探すのが攻略のカギとなります。
夏(流れの当たるエリアでのトップウォーターゲーム)
時期
6月~9月
梅雨が明け、水温が急上昇する夏はバスにとっても人間にとっても厳しい季節です。
狙いどころ
- 水面に木々が覆いかぶさる「オーバーハング」や橋の下など「シェード(日陰)」。直射日光を嫌うバスにとってこれらは避暑地になります。
- 「カレント(流れ)」。堰の下や瀬、支流からの流れ込みなど水が動いている場所はそうでない場所に比べて水温が低く溶存酸素量も多いため高活性なバスが集まりやすいのです。
夏のバス釣りは「トップウォーターゲーム」という早朝や夕方の「まずめ時」は水面でのアクションするルアーにバスが激しくバイトしてくる可能性が最も高いい時間帯があります。一度体験したら忘れられない強烈な記憶となることでしょう。
秋(ベイトを追い回遊するバスを広範囲に探す)
時期
10月~11月
夏が終わり水温が下がり始めるとバスは冬に備えて再び積極的にエサを追い始めます。この時期バスはベイトフィッシュを求めて広範囲を回遊するのでアングラーも広範囲を探っていく必要があります。
攻略
「巻き物」と呼ばれるルアーが主流です。スピナーベイトやクランクベイト、シャッドテールワームのスイミングなどリールを巻くことで広範囲を効率よくルアーが効果を発揮します。
また、春や夏と同様に流れのヨレをワームでナチュラルに流す「ドリフト釣法」も非常に有効です。
冬(水温が安定する深場やテトラの穴撃ち)
時期
12月~2月
冬はバスの活性が最も低くなり一年で最も釣りが難しい季節です。バスは水温の変化が少なく少しでも水温が高い場所に集まり動かずに越冬します。しかし、多摩川は冬でもバス釣りが成立する場所の一つです。
冬のバス釣りスポット
- ディープ(深場)・・・川のカーブの外側や堰の下などに存在する周辺よりも水深のある場所。
- 温排水周辺・・・水再生センターなどからの暖かい水が流れ込むエリア
- テトラ帯・・・テトラポットの内部は水の動きが少なく外敵からも身を守れるため絶好の越冬場所となります。
アプローチ方法
「スロー」が基本です。リアクションバイトを誘うメタルバイブレーションのリフト&フォールやワームを一転で動かさずに待つ「デッドスティッキング」、そしてテトラの隙間にルアーを正確に落とし込んでいく「穴撃ち」など非常に繊細で忍耐力のいる釣りが中心となります。
多摩川バス釣りで知っておくべき重要情報

多摩川で実際に釣行する前に知っておくべき重要な情報があります。特にルールや安全に関する項目は楽しい釣りを続けるために最も大切なことです。
遊漁券は必要?エリアごとのルールについて
漁業協同組合が定める漁業権の対象魚種(漁業権魚種)にブラックバス(オオクチバス・コクチバス)は含まれていません。そのため法律上では「バスだけを狙って釣る」のあであれば遊漁券を不要ということになります。
しかし、これは非常に誤解を招きやすい表現でありこの理屈だけでは釣りをするのはお勧めしません。
- 生態系の恩恵
バスアングラーは漁協が遊漁券の収益で行っている放流事業などによって維持されている生態系の恩恵を間接的に受けているのです。
- 無用なトラブル回避
遊漁券を持たずに漁協の管轄エリアで釣りをしていると見回りに来た監視員の方から声を掛けられることがあります。初心者にとってこれは非常にストレスのかかる状況です。遊漁券を水位百円から千円程度で購入するだけでこうした無用のトラブルを回避できます。
- 管轄エリアの存在
多摩川は管轄する漁協は一つではありません。中流域は「内共3号(府中四谷周辺)」と「内共12号(登戸・二子玉川周辺)」という二つのエリアに分かれておりそれぞれで遊漁券が必要である。
以上の理由から「ルールとマナーを守り川の環境を維持するために必ず遊漁券を購入することを強く推奨します。日券であれば500円~1,000円、年券でも2,500円程度で購入できます。
また、生きたまま別の川や池に運ぶ「移植法流」は厳しく禁止されています。初心者の方はまず「釣った魚はその場で優しくリリースする」という基本を徹底しましょう。
安全に関わる最重要注意点(天候による増水)
多摩川は上流の山間部で降った大雨によって数時間後に急激に水位が上昇し、川の流れが激流と化し、中州などの取り残されると非常に危険です。
- 釣行前に天候予報を確認する・・・多摩川上流の奥多摩エリアも含めた広範囲の天気予報を確認する習慣をつけましょう。
- リアルタイムの河川情報を活用する・・・国土交通省が提供しているウェブサイト「川の防災情報」で石原や田園調布(上)といった主要観測所の水位が上昇傾向にないか確認が必要です。
- 川の変化に注意を払う・・・「流れが急に速くなる」「笹の葉などのゴミが流れてきた」「水が濁り始めた」といった変化があったらすぐに川から上がって安全な場所に避難しましょう。
多摩川の岸辺は岩やコンクリートが水にぬれさらに藻が付着しているので滑りやすいです。スニーカーではなく長靴や靴底がフェルト素材になっている「フェルトソール」のウェーダー着用をおすすめします。
多摩川スモールマウスバス向けのおすすめタックル
初心者が最初に揃えるべきタックル(道具)はできるだけシンプルで扱いやすいものが一番です。
ロッド(竿)
長さ6フィート(約180cm)~6フィート9インチ(約205cm)程度の硬さが「L(ライト)」または「UL(ウルトラライト)」のスピニングロッドが最適です。
リール
スピニングロッドに合わせて2000番~2500番のサイズのスピニングリールを選びましょう。
ライン(糸)
素材は「フロロカーボン」の4lb(ポンド)または5lbがおすすめです。4lbはより遠くにルアーを飛ばしたい場合、5lbは根掛かりや魚の取り扱いに不安がある場合で選ぶと良いでしょう。
ルアー(疑似餌)
まず揃るべきものは、ワームと仕掛け(リグ)です。
- ワーム・・・ゲーリーヤマモト者の「4インチカットテール」やジャッカル社の「フリックシェイク3.8インチ」は定番ワームです。色は水の色に合わせて「ウォーターメロン」や「グリーンパンプキン」などを揃えましょう。
- 仕掛け(リグ)・・・上記ワームを使うための小物です。「マス針」の1番サイズ、重さ1/16oz(約1.8g)の「ドロップショットシンカー」、重さ1/32oz(約0.9g)の「ネイルシンカー」があれば基本的な仕掛けはほぼ作れます。
駐車場問題と公共交通機関でのアクセス方法
多摩川での釣行における問題が駐車場です。釣り場の近くには無料の駐車場はほぼ皆無です。近隣住民の方への迷惑となる路上駐車などは絶対にやめましょう。
車でアクセスする場合はコインパーキングを利用しましょう。また、中流域の主要ポイントは駅から徒歩圏内にあるので電車での釣行が最も効率的です。
以下に主要釣りエリアへのアクセスや駐車場ガイドを表にまとめてみました。
| エリア | 最寄り駅 | 駅から徒歩 | 主な駐車場オプション | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 登戸・宿河原堰 | JR南武線・小田急線登戸駅 | 約8-10分 | ・タイムズ登戸駅前各種・リパーク登戸各種・登戸第1/第3駐車場 | 駅周辺にコインパーキング多数。料金は30分200円前後、最大料金 1,300-1,500円/日 |
| 二子玉川・帆兵庫島公園 | 東急田園都市線・大井町線二子玉川駅 | 約5-10分 | ・玉川高島屋S ・C駐車場・二子玉川ライズ駐車場 | 兵庫島公園に専用駐車場ナシ。周辺のコインパーキングは料金変動あり。 |
| 府中四谷・郷土の森周辺 | JR南武線・京王線分倍香春駅京王線中河原駅 | 約20-30分 | ・リビングパーク府中四谷・タイムズ府中四谷・バカラ府中市四谷第1 | 河川敷に直接乗り入れられる場所はほとんどない。周辺コインパーキングは500-700円/日など安価。 |
多摩川バス釣りまとめ
多摩川はバス釣りアングラーにとって人気のスポットの一つです。その理由はいくつかありますが一番の理由は絶好の立地にあります。都内からすぐに行けるアクセス抜群な場所ですが、車の場合は駐車場が限られているので注意してください。
手軽にバス釣りを楽しめる反面、規則があるので現地の決まり事があるので守り、楽しい釣行ができる様にすることが必要です。また、天気を事前によく確認をし増水に注意しましょう。
季節によってバスの生息地は変わってきます。バスの特性をよく理解しバス釣りを楽しみましょう。
川には素晴らしい魚たちが待っています。多摩川の岸辺への第一歩を踏み出してみましょう。





