秋のバス釣りでは、前の週まで反応があった場所が急に静かになり、水の色やにおいが変わったように見えることがあります。ターンオーバーという言葉は聞いていても、水の中で何が起きているのかまでは分からないのではないでしょうか。
結論から言うと、ターンオーバーは湖やダム湖で表層の水と深層の水が上下に入れ替わる現象です。夏の間は水温の差で上下に分かれていた水が、秋の冷え込みとともに混ざり合っていきます。
この記事では、水が入れ替わる仕組みと、起きる水域の見分け方、当たったときの場所選びを公的機関の資料から整理します。読み終えるころには、目の前の水域で何を確かめればよいかが分かります。
ターンオーバーとは湖の上下の水が入れ替わる現象

ターンオーバーは、湖やダム湖で表層の水と深層の水が上下に入れ替わる現象です。滋賀県琵琶湖環境科学研究センターによると、春から夏にかけての湖には、表層と深層の間に水温が急激に変わる水温躍層ができます。秋から冬にかけて表層の水温が低下すると、この躍層が弱まりながら徐々に深層へ下がっていきます。
混合が湖底まで届いた状態が全層循環で、表層から底層まで水温と溶存酸素(水に溶けている酸素)の濃度、水質が一様になります。長野県諏訪湖環境研究センターは、水温が急激に変化するこの層を変水層または水温躍層と呼んでいます。釣り場でターンオーバーと呼ばれているのは、この入れ替わりが進む過程です。
ターンオーバーが起きるのは秋から冬の水温が下がる時期

ターンオーバーが進むのは、秋から冬にかけて表層の水温が下がっていく過程です。滋賀県琵琶湖環境科学研究センターによると、水温躍層ができている時期は、表層が30℃前後でも深層は10℃前後のままという差がつきます。気候変動適応情報プラットフォームは、底層と表層の密度差が大きくなるほど両者の交換は起きにくくなると説明しています。
表層が冷えて深層との差が縮むにつれ、混ざり合う深さは少しずつ下へ伸びていきます。長野県諏訪湖環境研究センターによると、気温が下がって表層の水の温度が4℃になると、その水は再び深層へ沈みます。入れ替わりは一日で終わる出来事ではなく、水温が下がる間ずっと続く過程です。
秋の釣り方全体の組み立ては、秋のバス釣りで月ごとに変わる特徴と攻略法にまとめています。
進み方も時期も水域ごとに違うので、元の資料で仕組みを確かめてください。
ターンオーバーが起きる水域と起きにくい水域がある

ターンオーバーが起きるのは、夏のあいだに水温躍層ができた水域です。表層と深層の密度差が大きいほど、上下の水は交換されにくくなります。その差が秋に縮んでいく過程が入れ替わりなので、上下に分かれるほどの水温差が生まれない水域では、同じ現象は起きません。
オオクチバスが暮らす水域は幅広く、国立環境研究所の侵入生物データベースに一覧が挙がっています。山上湖やダム湖、平地の天然湖沼から小規模なため池、河川の中流から下流までが含まれます。同じ秋でも、深さのある湖やダム湖と、浅いため池とでは水の変わり方が違います。
水の様子が変わる理由も、上下の入れ替わりだけではありません。雨による濁り水の流れ込みや、風で水面が波立つことなど、別の要因が重なります。見えた変化をすべてターンオーバーと呼ぶと、打つ手を選び違えます。
ターンオーバーかどうかは水域の条件から順に確かめる

ターンオーバーかどうかは、水の見た目より先に水域の条件から確かめると外しにくくなります。夏に上下が分かれていた水域でなければ、入れ替わりそのものが起きないためです。確かめる順番は次の3つです。
- 夏のあいだ、深い場所の水が冷たいままだった水域か
- 表層の水温が下がり始める時期に入っているか
- 濁りが雨の流れ込みや風の影響では説明できないか
深い場所に冷たい水が残る水域では、その層に酸素が届きにくくなります。長野県諏訪湖環境研究センターによると、成層期(上下に分かれたままの時期)には表層と深層の間で混ざり合いが発生しないため、深層の水に酸素が行き渡りません。有機物が分解するときにも多くの酸素が使われます。
国立環境研究所は、溶存酸素が底泥から溶け出す還元性の鉄やマンガン、硫化水素の酸化に使われることによっても減ると説明しています。深い場所にたまっていた水が上へ運ばれると、水の様子が変わって見えることがあります。
濁りそのものへの向き合い方は、にごりの池でバス釣りをするときのポイントで扱っています。
ターンオーバーの時期は水が動く場所を優先して選ぶ

ターンオーバーの時期に優先したいのは、水が動いている場所です。滋賀県琵琶湖環境科学研究センターによると、全層循環が起こると表層から底層まで水温、溶存酸素の濃度、水質が一様になります。流れ込みや風の当たる面のように水が動く場所は、その一様な状態へ早く近づく場所に当たります。
国立環境研究所は、水温成層によって湖水の上下混合が妨げられると、底層に酸素が供給されづらくなると説明しています。水が動いて混ざる場所ほど、酸素の偏りは残りにくくなります。
ルアーの選び方そのものは季節の進み方で変わります。初秋と晩秋での持ち替えは、秋のバス釣りで持ち替える5種類のルアーで整理しています。
ターンオーバーの時期でもバスは岸近くで活動する

オオクチバスは春と秋には岸近くで活動すると、国立環境研究所の侵入生物データベースに記されています。水温が10℃前後になると深所へ移るとされており、秋の入れ替わりが進む時期は、まだ岸寄りを探る価値が残る段階に当たります。
主食に挙がっているのは、オイカワやヨシノボリ類などの魚類と、エビやザリガニ類などの甲殻類です。岸近くにえさが残っているうちは、沖の深い場所だけを探す理由はありません。
水温が下がりきって深い場所へ移った後は、探す場所が変わります。
まとめ:ターンオーバーは水域を見極めてから対策する

ターンオーバーは、秋から冬にかけて表層の水温が下がる過程で、上下の水が入れ替わる現象です。夏に上下が分かれていた水域かどうかで、そもそも起きるかどうかが変わります。
水の見た目から入らず、水域の条件から確かめる順番にすると判断が安定します。釣り場で見える変化には、雨や風など別の要因も混ざるためです。
- 入る水域が、夏に深い場所まで冷たい水を残す水域かを確かめる
- 表層の水温が下がり始める時期に入っているかを確かめる
- 流れ込みや風の当たる面など、水が動く場所を先に回る
- 岸近くにえさが残っているかを見てから沖を考える
出かける前に、その水域を管理する自治体や管理者の公式ページで、釣りができる場所と時間を確かめてください。季節ごとの組み立てはバス釣りの時期と季節の基本、水温が下がりきった後の釣りは冬のバス釣りで釣果を上げるコツで扱っています。
