山梨県甲府市の千代田湖は、ヘラブナ釣りの場として古くから知られる湖です。
ただし千代田湖でバスを狙うなら、釣り方より先に確認すべきルールがあります。山梨県では釣ったバスの扱いに特別な決まりがあり、知らずに釣行すると悪気なく決まりを破ることになりかねません。
なお長野県伊那市高遠にも同名の湖があります。ここで扱うのは山梨県甲府市の千代田湖です。
千代田湖は一周2.5kmを歩いて回れるバス釣り場

千代田湖は山梨県甲府市にある人造湖で、正式名称を丸山貯水池といいます。湖畔沿いにおよそ一周2.5kmの舗装道路が整備されており、おかっぱりで歩いて一周できる規模です。ただしバスを狙うなら、釣り方より先に確認すべきルールがあります。
帯那川を堰き止めた農業用の貯水池
千代田湖は帯那川を堰き止めて造られた農業用の貯水池です。「千代田湖」は通称にあたります。
規模が大きくないぶん、広く探すより、目に見える変化を1つずつ確認していく組み立てが向いています。
釣ったバスは湖に戻せない
ここが千代田湖でバスを釣るうえで最も重要な部分です。
山梨県内水面漁場管理委員会指示第6号により、県内の公共用水面で釣ったオオクチバス(ブラックバス)とブルーギルは、釣った河川や湖沼に再び放すことが禁止されています。この指示の有効期間は、令和6年1月1日から令和15年12月31日までです(山梨県「内水面漁場管理委員会指示」)。
例外として再放流が禁止されていないのは、オオクチバスの漁業権が設定されている山中湖・河口湖・西湖の3湖だけです。千代田湖はこの3湖に含まれません。つまり千代田湖で釣ったバスは、その場に戻すことができません。
さらに、オオクチバスとブルーギルは外来生物法における特定外来生物です。山梨県漁業協同組合連合会の「遊漁のしおり」では、生かしたまま持ち出すことも禁止されていると案内されています(山梨県漁業協同組合連合会「遊漁のしおり」)。同しおりによれば、この法律に違反した場合は最高で3年の拘禁刑、個人でも300万円の罰金が科されるとされています。
「リリースするのが当たり前」という感覚のまま釣行すると、意図せず決まりに反することになります。千代田湖へ向かう前に、山梨県の公式情報で最新の内容を必ず確認してください。
なお、山梨県内の漁業権漁場は18か所あり、同しおりに掲載されている一覧に千代田湖(丸山貯水池)は含まれていません。ただし山梨県漁業調整規則や委員会指示は、漁業権の有無にかかわらず県内の湖沼・河川・溜池などすべてに適用されます。漁業権がないことは、決まりがないことを意味しません。
遊漁料の扱いや現地での具体的な決まりについては、変更される場合もあります。釣行前に山梨県や関係機関の案内を確認し、現地に掲示がある場合はその表示に従ってください。
ヘラブナ釣りの人も多く訪れる
千代田湖は古くからヘラブナ釣りの場として知られてきました。ヘラブナやマブナのほか、コイ、ブラックバス、ブルーギルが生息しているとされています。
バス以外の釣り人も多く訪れる湖です。ヘラ台やヘラブナ狙いの釣り座に近づきすぎない、キャストの向きに気を配るなど、釣り場を分け合う意識が必要なフィールドといえます。
千代田湖のおかっぱりで狙えるのは4つの地形変化

狙えるのは堰堤・流れ込み・シャロー・人工物の4つです。千代田湖は湖畔道路が一周しているため、歩きながら順に見て回れます。実際の釣行では、現地で立ち入りが認められている範囲を確認したうえで入ってください。
堰堤まわり
貯水池である千代田湖には堰堤があります。一般的に堰堤付近は水深が取りやすく、季節を問わずバスが着きやすい変化とされています。
特に水温が下がる時期や、逆に真夏の高水温期など、バスが浅場から出ていくタイミングで有力な選択肢になります。護岸の切れ目や壁沿いの変化を、縦の動きで丁寧に探るのが基本です。
流れ込み
千代田湖は帯那川を堰き止めて造られた湖です。流れ込みは水が動き、酸素とエサが供給される場所として、一般的にバスが好む条件がそろいます。
特に雨のあとや、水温が上がりすぎた夏場には水が動くエリアの価値が上がります。ただし増水時は足場が悪くなるため、無理をしないことが前提です。
湖畔の道路沿いのシャロー
一周する舗装道路沿いには、水深の浅いエリア(シャロー)が点在します。春の産卵期や、朝夕の低光量の時間帯は、こうしたシャローにバスが差してくる可能性が高まります。
小規模な湖では、足音や人の気配が水中に伝わりやすいものです。岸際に立つ前に、まず離れた位置から水面と水中の様子を観察すると、無用にプレッシャーをかけずに済みます。
桟橋・ボート店まわり
千代田湖にはボートを扱う店があり、桟橋などの人工物が水中の変化になっています。人工的なストラクチャーは影を作り、魚が身を寄せる場所になりやすいものです。
ただし営業中の施設や係留されたボートの周囲は、施設側の管理範囲にあたります。許可のない場所には入らないでください。
千代田湖のバス釣りは季節で狙う場所が変わる
千代田湖は山あいの湖で、季節によってバスの居場所が動きます。水温の変化を受けやすい規模でもあり、同じ場所が一年中効くわけではありません。春はシャロー、夏はシェードと流れ込み、秋は広範囲、冬は深場と、狙う場所を変えていくのが基本です。
春(3〜5月)
水温が上がりはじめると、バスは産卵を意識して浅い場所へ移動します。この時期はシャローの地形変化が中心になります。
産卵期のバスは動きが遅く、じっくり見せる釣りが有効とされます。ネコリグやダウンショットなど、ゆっくり誘えるリグが選択肢になります。
夏(6〜8月)
水温が上がりきると、バスは日中の強い日差しを避けて動きます。シェード(日陰)、水が動く場所、水深のある場所が狙い目になります。
千代田湖の検索需要が最も高まるのもこの時期です。夏は朝夕のまずめ(日の出前後と日没前後の薄明の時間帯)に絞るのが定石で、日中はトップウォーターへの反応が鈍る時間帯も出てきます。木陰の落ちるエリアや流れ込みなど、条件が変わる場所を優先して回るとよいでしょう。
秋(9〜11月)
水温が下がりはじめると、バスは広い範囲に散っていくとされます。特定の一点を粘るより、歩いて広く探すほうが噛み合いやすい季節です。
一周2.5kmの湖畔道路があることは、この時期に活きてきます。巻き物で手数を稼ぎながらエリアを絞り込み、反応があった条件を軸に組み立て直すのが有効です。
冬(12〜2月)
低水温期はバスの活性が落ち、動きの少ない釣りになります。深い場所や風の当たらない場所、日が当たる場所が候補です。
冬は1日を通してバイトが数えるほどということも珍しくありません。ボトムをゆっくり探るメタルバイブやダウンショットなど、動かしすぎない誘いが基本になります。山あいの湖であり路面の凍結もありえるため、装備と足元への注意が必要です。
千代田湖のバス釣りはワームが軸になる
千代田湖のような小規模で釣り人の多いフィールドでは、ワーム系のリグが軸になります。見せすぎず、違和感を出さない釣りが噛み合いやすいためです。そのうえで、広く探したいときはハードルアー、水面を意識した魚が出るタイミングではトップウォーターと、状況に応じて使い分けます。
ワーム系リグ
千代田湖のような規模の湖で、軸になるのがワームです。
- 岸沿いの変化をゆっくり探るネコリグ
- 一点で誘い続けられるダウンショット
- 浅い場所にナチュラルに落とすノーシンカー
ラインを細くする、シルエットを小さくするといった調整も、プレッシャーの高い状況では効いてきます。
ハードルアー

広く探るとき、活性の高い魚を拾うときに使います。
- 水温が低い時期にも扱いやすいシャッド・小型ミノー
- 秋の広範囲サーチに向くスピナーベイトや小型クランクベイト
- 冬に深い場所をタテに探るメタルバイブ
トップウォーター

夏の朝夕や、水面を意識した魚が出るタイミングで有効です。ポッパーやペンシルベイトで水面を意識させる釣りは、小規模な湖でも成立します。
ただし静かな水面では音や着水が目立ちます。条件が合う時間帯に絞るほうが結果につながりやすいでしょう。
まとめ:ルールを確認してから千代田湖へ
千代田湖のバス釣りで結果を分けるのは、朝一に入れるかどうかと、反応がないときに歩けるかどうかです。一周2.5kmという規模は、一点で粘るより回るほうが噛み合います。あわせて、ヘラブナ釣りの人と釣り場を分け合う気配りも欠かせません。
朝一に入り、反応がなければ歩く
小規模なフィールドでは、先行者がいるかどうかが状況を大きく左右します。朝早い時間帯は魚の活性が高いだけでなく、静かな水面に対して先にアプローチできるという利点もあります。
一周できる湖畔道路を活かし、反応がなければ立ち止まらずに移動する。この繰り返しで、その日の条件に合うエリアを絞り込んでいくのが基本の立ち回りです。
ヘラブナ釣りの人と釣り場を分け合う
千代田湖はヘラブナ釣りの人、散策する人、キャンプで訪れる人など、さまざまな目的の人が集まる場所です。山梨県漁業協同組合連合会の「遊漁のしおり」でも、釣りをする際は互いに適当な距離を保つこと、ゴミや空き缶、ペットボトル等は必ず持ち帰ることが呼びかけられています。
駐車や立ち入りについては、現地の表示に従ってください。釣り場が使えなくなる理由の多くは、釣り人側のふるまいにあります。
千代田湖のバス釣りで最も大切なこと
千代田湖は、一周2.5kmの湖畔道路を歩いておかっぱりで回れる、アプローチしやすいフィールドです。堰堤・流れ込み・シャロー・人工物という限られた変化を、季節に応じて丁寧に拾っていく釣りが向いています。
そして最も大切なのは、釣ったバスを再び湖へ放すことが、山梨県内水面漁場管理委員会指示によって禁止されているという点です。生かしたままの持ち出しも認められていません。この扱いは他県や富士五湖の一部とは異なります。
釣行前に、必ず山梨県の公式情報で最新のルールを確認してください。そのうえで、ルールとマナーを守って千代田湖でのバス釣りを楽しんでいただければと思います。
